携帯電話の位置情報から人出を割り出すNTTドコモ(東京)のデータ分析で、政府の緊急事態宣言が全国に拡大されて以降、週末を挟んで初の平日となった20日の状況がまとまった。九州7県都の中心部では、福岡市で感染拡大前と比べた減少幅が5割を超えたものの、他の6市は1~3割台にとどまった。平日の外出自粛は地方ほど進んでおらず、在宅勤務が浸透しきれていない現状をうかがわせる。
政府は出勤者の7割削減を求めているが、減少幅は九州7県の全地点で7割に届いていない。7日から緊急事態宣言の対象になった福岡市の西鉄福岡(天神)駅周辺でも56・2%減で、東京・新宿駅周辺の69・2%減など首都圏の主要駅とは大きな開きがある。
16日から新たに緊急事態宣言の対象になった6県の減り方はさらに鈍い。JR長崎駅周辺は39・8%減、JR大分駅は35・8%減、熊本市電通町筋駅は32・6%減。宮崎市の橘通りは26・7%減、鹿児島市電天文館通駅は24・2%減で、JR佐賀駅は16・8%減だった。
在宅勤務の浸透度の違いが背景にあるとみられる。日本テレワーク協会(東京)の富樫美加主席研究員は「現場に行かないといけない1次産業や製造業などが多い地方では、在宅勤務の拡大が難しい」と指摘。在宅勤務の導入を検討する企業に対し、行政の相談窓口や助成金を活用するよう呼びかけている。 (中野雄策)
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