世界遺産・平等院(京都府宇治市)の鳳凰(ほうおう)堂の写真を使ったジグソーパズルを無断で販売したとして、平等院が玩具会社「やのまん」(東京都台東区)に販売停止などを求めた訴訟が12日、京都地裁(村木洋二裁判官)で和解した。平等院によると、やのまん側が問題のパズルの在庫を廃棄する一方、廃棄費用を平等院側が負担することなどで合意したという。
「パズルでバラバラにされて…」
平等院は、月夜に浮かぶ鳳凰堂の写真を使った300ピースのパズルを販売したやのまんに対し「拝観のパンフレットで、境内で撮った写真の営利目的使用を禁止すると記しているのに無断で使われ、社会的評価が低下した」と主張。2019年、やのまんに販売停止などを求めて提訴。鳳凰堂の図像は10円硬貨などに使われている。契約した写真家から提供された画像を使ったやのまん側は「(図像は)共有財産で、社会的評価は損ねない」などと反論した。
平等院によると、和解内容は、やのまん側が在庫328個を廃棄し、今後、同意なしに平等院の写真を使った製品を販売しないと約束。平等院側が廃棄費用約17万円を負担するという。
平等院の神居文彰(かみいもんしょう)住職(57)は会見し「無断で(パズルで)ばらばらにされ、つらい思いをした。納得し合えたのは大きな前進」と話した。やのまん側は「ホームページでコメントを出す」とした。(高嶋将之)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル