世界遺産の平等院(京都府宇治市)鳳凰(ほうおう)堂について、修理の際に屋根から取り外して保管されていた古材の年輪年代を調べたところ、2点の伐採年が創建の7年前にあたる1046年と翌47年だったことが分かった。平等院が18日発表した。専門家は創建時の大屋根の実態を探る重要なデータとして注目する。
平等院鳳凰堂は、平安時代に摂政・関白を務めた藤原頼通(よりみち、992~1074)が1053年に宇治に建てた。平等院によれば、伐採年が1046年と判明したのは明治時代の修理で外され、塔頭(たっちゅう)の浄土院に保管されていた長さ約5・6メートルの古材。奈良文化財研究所(奈良市、奈文研)客員研究員の光谷拓実(みつたにたくみ)さんが2016年、年輪幅の変動パターンをもとに年代を測定。樹皮直下の年輪が残っていたため、伐採年を特定できた。
また、昭和の修理で外された屋根の部材1点についても1047年の伐採とわかった。樹種はいずれもヒノキと判明した。光谷さんは「当時は、ほかの寺などでは伐採後2、3年で使用しており、平等院が手間をかけてつくられたことが推測できる」と話す。
1046年に伐採された古材は…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル