青森県弘前市は15日、今年の弘前公園のサクラの開花時期は、平年より6日早い4月16日の見込みだと発表した。4月19日から園内で「弘前さくらまつり」が開幕する予定だが、開花は年々早まっている。まつりを主催する市や地元観光コンベンション協会などは、園内の見どころを紹介する新たな取り組みを今年から始めるなど、誘客に力を入れる。
この日、桜田宏市長が定例会見で開花予想日を発表した。さくらまつりについても、昨年までコロナ禍の影響で園内の一部で続いていた飲食の規制を、今年はすべて解禁すると明らかにした。
まつりの開催日については昨年の反省を生かし、「4月上旬に開花しても出店やライトアップを始められるように、今年は準備している」と話した。
園内に約2600本あるサクラのうち、まつりの一番の見どころとも言えるのが、1700本あるソメイヨシノだ。平年の開花日は4月22日だが、昨年は記録が残る1947年以降で最も早い4月7日に開花した。市が3月中旬に予想した4月12日よりも5日早く、15日に準まつり体制で開幕したときにはすでに満開だった。
市公園緑地課によると、2019年以降、開花日は年々早まっている。今年も市内の日平均気温は、1月、2月ともに平年値より2度近く高い。市の担当者は「暖かい日が今後も続けば開花が予想より早まる可能性はある」と話す。
そのような中、まつり終盤の来園者数をどう増やすかも課題となっている。
昨年は5月5日までの21日間の会期で、来園者は200万人を超えた。ただ、開幕した4月中旬こそ1日20万人を超えたが、ソメイヨシノの見頃が過ぎた5月に入ってからは、平均して1日5万人ほどだった。
市では昨年から、終盤も来園者に楽しんでもらおうと、ソメイヨシノの後に咲く遅咲きの八重桜7品種を「弘前七桜」と名付け、PRを始めた。
今年はさらに、八重桜の風景が映える園内のスポットなど7地点を「弘前桜七景」と名付け、新たな魅力発信を始めた。桜田市長は会見で、「今年はまつりの終盤まで少しでも多くの方に楽しんで頂けるよう、さらに取り組みを進めていきたい」と話した。
市などまつりの主催団体は、今後の園内のサクラの開花予想を踏まえ、今月末までに正式に会期を決定する予定だ。(古庄暢)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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