1971年5月30日の朝日新聞朝刊。連載「男と女」は中学校の生徒会役員について取り上げた。記事では、東京都文京区の全公立中学12校(当時)のうち、生徒会長は男性11人、女性1人だったことをあげ、こう書いた。
会長には断然男が選ばれ、(中略)副会長や他の役職にようやく女生徒も進出というわけなのだ。
都立国分寺高校2年で生徒会長を務める竹内双葉さん(17)は、記事を読んで驚いた。中学時代に生徒会の副会長をしていたという母親(47)に聞くと、「当時は男性の生徒会長を支えるのが当たり前だと思っていた」との答え。自分の価値観との違いを感じた。
昨年7月に生徒会長に就任した。他に立候補する人がおらず、信任投票の末、会長に選ばれた。中学時代にも生徒会長を務め、高校1年生の時には生徒会の会計を経験。自分たちで、生徒や学校のためになる企画書を作り、実行するやりがいを感じていた。「生徒会が男の世界だなんて全く思ったことがない。生徒会に必要な適性は、男女の性差によるものではなく、その人自身の特性」と考えている。
国分寺高校の生徒会が発足したのは、学校が創立した69年の6月。当時の役員名簿は残っていないが、ここ10年は生徒会長の男女比は半々だという。現在、9人いる役員のうち、男性が1人に対して、女性が8人を占める。竹内さんは、多摩地域の約70校の生徒会役員でつくる「多摩生徒会協議会」でも活動するが、所属する約90人の生徒会役員の男女比は「半々くらい」だという。
ジェンダーをめぐる状況は何が変わり、何が変わらずにきたのでしょうか。50年前の新聞と今とを行き来しながら考える連載です。
学校は社会の縮図と言われる。…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル