新型コロナウイルスの感染拡大抑止のため政府が打ち出した全国一斉臨時休校要請の対象外となっている幼稚園で、独自に休園措置を取る動きが広がっている。小中学校などの休校が始まって1週間となる9日現在の状況を九州各県に聞いたところ、休園措置を取る私立幼稚園は福岡県で全体の17%、佐賀県で13%に上ることが分かった。保護者らの懸念を背景に判断しているとみられる。
長崎県を除く九州6県が幼稚園などに求めている臨時休園時の報告数を聞き取った。それによると、福岡県には9日昼までに県内384園のうち67園から休園中か休園方針の報告があった。自由登園も122園あり、休園と合わせると独自に対応措置を講じる園は49%に上る。
佐賀県内では45園のうち6園が休園、1園が自由登園の対応。幼保連携型認定こども園も68園のうち3園が幼稚園児の受け入れを中止している。鹿児島県は公立を含めた幼稚園と認定こども園の計9園の休園(一部休園を含む)、宮崎県は国立と私立の計2園の休園をそれぞれ把握していた。
9日までに九州最多6人の感染が確認された熊本県には休園の報告はない。ただ、県の担当者は「登園を自粛させる保護者も少なくないと聞く」と話し、今後、休園に踏み切る園が出る可能性もあるとみる。
各県によると、臨時休園している園は、自宅で子どもの世話ができない世帯向けに預かり保育を拡大するなどして対応しているという。
3日から臨時休園している福岡市内の私立幼稚園の副園長は「子どもの安全が最優先と考え、小学校に準じる対応を取った」と判断理由を説明。仕事をしている保護者に限り、日中も園児を預かるなどしている。12日からは卒園式の準備のため年長の園児のみ登園するという。2日から春休みまでの休園を決めた別の幼稚園の関係者は「給食の食材のキャンセルで、園の負担分も出てきそうだ」と心配そうに話した。 (泉修平)
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