秦忠弘
神奈川県藤沢市の新江ノ島水族館(えのすい)は、幼魚に付着した「ポリプ」から遊離したクラゲを国内で初めて確認したと発表し、一部を展示中だ。ポリプは生殖体としてのクラゲになる前の状態。魚に寄生する種類は国内では1種しか確認されておらず、同じ種類か調べている。
サカナヤドリヒドラ属の一種とみられ、クラゲの状態で傘は直径約3ミリ。1月に同水族館が駿河湾や相模湾で採集した幼魚の体表にポリプが寄生しているのを見つけた。
観察を続け、相模湾で採集したボラに付着していたポリプからクラゲが遊離したのを1月19日に確認。駿河湾で採集したカゴカキダイに付着したポリプからも同23日に遊離を確認した。今月12日現在、約400個体の遊離が確認され、うち、両湾で採集したカゴカキダイに付いたポリプから遊離した10個体を展示している。
サカナヤドリヒドラ属は魚類の体表に寄生するクラゲで、世界で6種が知られている。国内では1941年に1種がポリプで確認されたのみで、クラゲの情報はほとんどなかったという。水族館は「今回の生殖体が、同じ種かも含めて調べていきたい」としている。
同水族館の営業時間は9~17時。入場料は大人2500円、高校生1700円、小・中学生1200円、幼児(3歳以上)800円。問い合わせは同水族館(0466・29・9960)へ。(秦忠弘)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル