広がる「市民養蜂」の輪 自治体がボランティアとミツバチ飼育

 埼玉県坂戸市が、市民参加によるミツバチの飼育に力を入れている。ボランティアとして市民に養蜂を体験してもらう取り組みを始めて10年余。サポートするため、巣箱を置く遊休農地の紹介も始めた。ミツバチとの共生の輪が広がりをみせている。

市施設でハチミツ

 6月中旬。市の環境学習施設「環境学館いずみ」では、巣箱から採ったばかりのハチミツが、甘い香りを放っていた。

 名前は「いずみつ」。施設の近くに置いた巣箱で、市民と飼育しているミツバチたちの恵みだ。地域の自然に目を向けてもらうために一部を販売し、ほかは給食などに活用する。

 「私も昔は虫が怖かった。でもここでミツバチに出会って、虫たちが自然の循環の一部だということが理解できました」

 瓶詰め作業をしながら、職員の赤尾美和さん(53)がそう説明してくれた。

3年で基礎を習得

 同市は2013年に、この施設を拠点にミツバチの飼育を始めた。市によれば、自治体としての取り組みは「全国初」。養蜂を趣味とする石川清市長が主導した事業だった。

 飼育は当初、養蜂経験のある…

この記事は有料記事です。残り979文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment