【香川】学校生活に欠かせない制服を、つながりのなかった人からの「お下がり」で――。高松市出身の馬場加奈子さんは11年前、全国初の学生服リユース店「さくらや」を開業した。いま、パートナー店舗は全国に広がっている。
――制服リユース事業を始めたきっかけは何ですか。
単純に自分が困っていたから、というのがきっかけです。シングルマザーとして3人の子どもを育てるなかで、制服の出費が痛かった。お下がりのつてを探してもなかなか見つからず、同じような悩みを抱える母親が多いことを知りました。生命保険会社に勤めていましたが、育児と仕事の両立も大変。自分で自由に働く時間を決められてお金を稼げるのは、起業しかないと考えました。
――いまではパートナー店が全国90店舗以上に広がっています。
ここまでになるとは想像もしていませんでした。初年度は130万円ほどしか売り上げが出ず、1年限りでやめようかとも思いました。テレビ番組に取り上げられたことがきっかけで問い合わせが一気に増え、需要があることを改めて感じました。
「私の地域でも」と出店を希望する人にも多く出会い、全国に仕入れと販売の拠点を広げることにしました。希望者には研修の費用を出してもらって、本店からノウハウを提供します。「学生向けに制服を販売する」という以外にルールはありません。育児や仕事をしながらでも続けられるよう、営業日や開店時間はそれぞれの自由です。副業として運営してくれている人もいます。
――事業の難しい点は何ですか。
11年前と比べて、共働き世…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル