能登半島地震から2カ月。被災者の避難生活は続く。仮設住宅の建設が進むが、震災前、共に暮らしてきた人々のつながりはどうなっているのか。石川県輪島市で、訪問看護施設などを管理・運営している看護師・中村悦子さんに現状を聞いた。
私が生まれ育った石川県輪島市は、65歳以上が46・3%(2020年)を占め、少子高齢化が課題になってきました。地震で倒壊した多くは、古い家屋です。子どもが出た後、高齢の親が家屋を直さずに暮らしていたのです。
訪問看護施設を運営する私たちは、お年寄りの孤食対策として、「みんなの保健室」を開いてきました。送迎付きの食事を650円で提供します。利益は出ませんが、一人で来た人もみんなとだんだん仲良くなって、一緒にテレビを見たり、折り紙をしたり、塗り絵をしたりと、わいわいする。特別なことは何もしていないけど、生きる上で人と人のつながりは大事です。
しかし地震後、私たちの施設は福祉避難所となり、「みんなの保健室」は中止になりました。
常連だった90歳近いおばあ…
※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル