広島市や朝日新聞社などが市中心部(広島市中区基町)を再開発して大規模な複合施設を建設する。県庁や商業施設などが並ぶ「紙屋町・八丁堀地区」にある約1万平方メートルの敷地に、地上31階、地下1階(高さ約160メートル)の高層ビルを建てる計画で、2027年度に完成予定。オフィスやホテル、店舗のほか、広島商工会議所が入り、広島のビジネス拠点をめざす。
本社などが27日、住民説明会を開いた。計画では、老朽化した基町駐車場を廃止し、高層ビルのほか、5階建ての変電所や5階建ての駐輪場を整備する。21年度中に広島市が都市計画決定し、22~23年度の着工を予定する。再開発を進めるのは広島市と本社のほかに、中国電力ネットワーク、朝日ビルディング、広島商工会議所の各地権者と都市再生機構。
原爆ドームに近い広島商工会議所が、再開発地域にある基町駐車場と財産交換して高層ビルに入居。老朽化した商議所ビルは解体され、平和記念資料館側から原爆ドームを見た際、商議所ビルが背景に入り込む景観面の問題も解消できる。
高層ビルの建設予定地には1958年、朝日新聞広島支局(当時)が入る広島朝日ビルが開館。老朽化を理由に2010年に解体されて以降、駐車場として活用されてきた。
広島市ではJR広島駅南口でも地上20階、地下1階の新たな駅ビル(高さ100メートル)建設工事が進んでいる。ホテルやショッピングセンターなどが入る予定で事業費は約600億円。25年春の開業をめざす。
広島市内では、広島駅周辺と「紙屋町・八丁堀地区」の2地域が建物の容積率の緩和や優遇税制が得られる「特定都市再生緊急整備地域」に指定され、「広島経済をより活性化するための両輪」とみられている。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル