公明党の斉藤鉄夫国土交通相(69)=衆院広島3区=が10月の衆院選の期間中に開いた個人演説会で、一般社団法人「広島県トラック協会」の関連団体が出席者の一部に現金を渡していたことがわかった。協会は取材に、旅費として支払ったことを認めた上で、「選挙活動として特別に支払ったものではない。法律に基づいて対応している」と説明した。
演説会は10月22日にJR広島駅近くのホテルで非公開で開かれた。関係者によると、自民党の茂木敏充幹事長(当時は外相)や公明党の石井啓一幹事長が登壇し、県内の企業や業界団体関係者が出席したという。
協会の森井茂人専務理事は取材に、この演説会に出席した運送事業者らに対し、協会に関連する任意団体「広ト協政策研究会」が、研究会の規約に基づいて旅費を払ったと説明した。金額や人数、根拠とする規約の具体的な内容については「説明を差し控える」として答えなかった。
斉藤氏は24日、首相官邸で記者団に対し、「一切承知していない。私の個人演説会に関係して旅費が支払われていたとしたら、大変遺憾。当事者の方がしっかり説明していただきたい」と述べた。
公明党の北側一雄副代表は25日の記者会見で「選挙期間中に金銭が交付されることは適切ではない」と述べた。その上で「斉藤さん自身が全く知らないことだから、進退という話にはならない」と語り、辞任の必要はないとの認識を示した。松野博一官房長官は同日の会見で、斉藤氏から事実関係などを聞く考えがあるかどうかを問われ、「必要とあれば、まずは関係者においてしっかりと説明されるべきものと考えている」と述べるにとどめた。
広島3区は買収事件で実刑が確定した河井克行元法相の地盤だった選挙区で、今回の衆院選では「政治とカネ」が争点となった。衆院選では、岸田文雄首相が応援に訪れた茨城6区の自民党候補の街頭演説でも、「茨城県トラック協会」の関連団体が演説を聴きに来た会員に日当5千円を支払っていたことが明らかになっている。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment