気象庁は13日午前8時45分、広島県に大雨特別警報を発表した。過去に経験したことのないような大雨となっており、土砂災害や浸水などの何らかの災害がすでに発生している可能性がきわめて高いという。「命の危険が迫っているため、直ちに身の安全を確保しなければならない状況」だとして最大級の警戒を求めている。
対象市町村は広島市。大雨特別警報は、大雨の警戒レベルで危険度が最も高い「5」に相当する情報で、住民は避難所へ行くことにこだわらず、川や崖から少しでも離れた頑丈な建物の上の階などへの避難が必要となる。外へ出ることも危険な場合は、崖から離れた2階以上の部屋に移動するなど、少しでも命が助かる可能性の高い行動をとることが重要だ。
広島市の安佐北消防署によると、13日午前9時30分ごろ、広島市安佐北区安佐町飯室の鈴張川で、近くの住民から「ピンクの軽乗用車が川に流された」と119番通報があった。車に人が乗っていたかは不明といい、消防隊員が確認に向かっている。
広島市は鈴張川が氾濫(はんらん)危険水位を超えたため、13日午前8時40分、避難情報の中で最も危険度が高い「緊急安全確保」(レベル5)を出した。対象は安佐北区鈴張、飯室の計73世帯159人。
安佐北区役所によると、13日午前9時の時点で、鈴張地区の26世帯45人が地元の特別養護老人ホームに避難している。また、広島県道宇津可部線の2カ所で土砂崩れが起き、通行止めになっている。
広島市はこの他、午前9時現在で安佐北区、安佐南区、佐伯区の計1万4429世帯2万9778人に避難指示(レベル4)を出している。
広島市の北に位置する広島県安芸高田市は午前8時15分、多治比川周辺の2548世帯5149人に緊急安全確保を出した。北広島町も午前8時19分、千代田地区の2253世帯4835人に緊急安全確保を出した。
島根県雲南市では大雨の影響で、市内を流れる三刀屋(みとや)川の水位が午前8時に氾濫(はんらん)危険水位の2・9メートルに達した。雲南市は河川の氾濫(はんらん)や家屋の浸水の危険があるとして、同市三刀屋町の一部139世帯394人に避難指示を出した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル