小林製薬は12日、紅麴(こうじ)原料を生産していた大阪工場(大阪市)で、床にこぼれた材料を拾って再び使った不適切事例があり、昨年6月に商品を自主回収していたことを明らかにした。原料は食品の材料向けで、報告が相次いでいるサプリメントの健康被害とは直接関係がないと説明している。
同社の紅麴原料は、コメに植え付けた菌を培養し、加熱・粉砕したものを成分が一定になるように混ぜ合わせて生産している。
同社によると昨年4月、従業員が粉を混ぜ合わせる機械のふたを閉め忘れ、33キログラム分の粉が床に散乱。このうち、床や機械に触れていない11キログラムをすくって再び使い、120キログラムの紅麴原料を生産した。当時の生産管理の担当者らの判断だったという。
紅麴原料120キログラムは5月末に食品の材料向けに取引先6社に納入したが、後から不適切だったと判断。昨年6月1日に自主回収を決定した。ほとんどは回収できたが、うち1キログラム分はすでに使われてしまっていたという。
小林製薬は「製造過程や出荷前の検査で品質に問題がないことは確認していたが、社内の衛生管理に照らして不適切だった」(広報)としている。
「常識的にはありえない」
食品生産に詳しい南九州大学…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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