店員いない古書店 無人だから生まれる温かい交流 宮崎

 宮崎の商店街の一角に今年オープンした小さな古書店。365日、24時間営業らしいが、訪れてみると、古本はあるが店員の姿が見当たらない……。ほんとに営業しているの?

 宮崎県日南市岩崎の油津(あぶらつ)商店街にある無人古書店「ほん、と」。広さ15平方メートルほどのコンテナを利用し、4月から無人で、古本の販売を始めた。かかる費用は光熱費と家賃のみで、月数万円。仕掛け人の杉本恭佑さん(28)は「人手や経費が限られた中で、できる副業を模索していた」。売り上げと運用コストとは「とんとん」という。

 モデルにしたのは東京都武蔵野市の無人古書店。実際に店を訪ね、オーナーからノウハウを学んだ。着想から2カ月あまりでオープンにこぎ着けた。

 「ほん、と」には地元の人から寄付された本が随時集まり、ジャンルやサイズも様々。在庫は1千冊ほどあるが、ゆとりのある空間を意識して、200冊ほどにしぼって陳列している。

 杉本さんの本職は日南市の地域おこし協力隊員で、商店街の盛り上げ役も担う。「商店街の回遊性を高めたい」と、店に陳列されている本は商店街の中なら無料でどこへでも持ち出せるようにしている。商店街活性化の好例に挙げられる油津だが、「食事以外にすることがない」という声もあり、古書店を活性化の一手にしたいと考えた。

 本の値段は「300円」「50…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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