「特撮の神様」と言われる映画監督、円谷英二さんの出身地、福島県須賀川市柱田に3日、須賀川特撮アーカイブセンターがオープンした。1969年の映画「日本海大海戦」で使った戦艦三笠の模型や、ウルトラマンシリーズで使われた人形など特殊撮影に関する資料約1千点が展示されている。
特撮に使われた模型や着ぐるみなどの多くは捨てられ、個人で所有するケースも少なくなく、保存が課題だった。そこで11年前ごろから貴重な資料を残そうという運動が広がり、展示会も開催。常設展示する施設が必要だという声があがり、昨年1月に円谷英二ミュージアムをつくった須賀川市が名乗りを上げ、鉄骨2階建ての建物を2億4800万円掛けて改修した。
館内には特撮に使われたカメラ、昔の街並みを再現したミニチュアも展示されている。短編映画を見ることができる視聴覚室や、円谷さんや特撮に関する本を並べた図書コーナーもある。今後は、資料の収集だけでなく、資料の修復や調査研究も行っていく予定だ。
活動に携わったアニメ特撮アーカイブ機構の庵野秀明理事長は「失われつつある資料を残すという熱い思いを形にすることができ、感無量です」と語った。名古屋市から訪れた会社員の高橋信久さん(56)は「古い資料が残されているのに驚きましたし、施設の完成にも感激しました」と話していた。
センターは入場無料で、開館時間は午前9時~午後5時。火曜日(祝日の場合は翌日)と年末年始は休み。問い合わせは同センター(0248・94・5200)へ。(田中基之)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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