杉山圭子
東京都日の出町の谷戸沢(やとざわ)廃棄物広域処分場内の樹林で、フクロウの営巣が確認された。処分場を管理する東京たま広域資源循環組合が2010年に巣箱を置いて以来、営巣が確認されたのは今回で6回目。巣箱に設置したカメラで撮影した写真は、同組合のホームページで随時公開する。
同組合によると、フクロウは今年1月に場内に飛来し、メスが2月27日に1個、3月3日にさらに1個、直径約3センチの卵を産んだ。産卵後はほぼ終日、卵を抱いて温め、時折体を動かして毛づくろいをしたり、外で巣箱を見張るオスとエサの受け渡しを行ったりしているという。
同処分場では1984年から14年間、多摩地域26市町の家庭ごみが処理されてきた。埋め立てを終えた98年以降、組合が主体となって、敷地内や周辺地域の自然環境の再生を目指した保全活動を続けている。フクロウのための巣箱作りや生態調査もその一環だ。
初めてフクロウの営巣が見られたのは2016年。以降、ほぼ毎年営巣し、ヒナが巣立つまでの様子を、巣箱の上部にとりつけた赤外線カメラなどで撮影し、記録してきた。
巣箱もカメラも古くなったため、昨年11月に新調。カメラは新たに巣箱の側面にも1台とりつけた。担当者は「フクロウが毎年のように飛来して子育てするまでに自然環境が回復した証し。側面の『横顔カメラ』の映像から、表情などもはっきりとわかる。順調にいけば4月以降、卵からかえったヒナと過ごす姿もみていただけると思う」と話している。(杉山圭子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル