昭和58年に廃線となった近鉄東信貴鋼索線のケーブルカーが、かつての起点だった信貴山下駅前(奈良県三郷町)に廃線から約37年ぶりに移設された。町は地域のランドマークとして、土日祝日に車両内部を一般開放する予定だ。
近鉄東信貴鋼索線は大正11年に開業。ケーブルカー(全長10メートル)は信貴山下駅-信貴山駅間の1・7キロを運行し、昭和58年8月の廃線後は町立三郷北小学校で保存されていた。
町は移設に伴い、当時の設計図を基に車両を改装。クリーム色とオレンジ色のツートンカラーの車体を塗り直したほか、座席やつり革などの傷みを修繕し、現役時の姿によみがえった。移設作業は3月14日から行われ、柵や案内板も設置された。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、同28日に予定されていた記念式典は中止に。小中学校の通学でケーブルカーを利用していたという森宏範町長は「日本で3番目に古いケーブルカーの歴史を守り、町や信貴山の観光にも役立てていきたい」と話した。
町は今後、土日祝日の正午~午後5時に車両の内部を一般開放する予定で、開始時期は今後の状況を見て判断する。これに合わせ、町は観光パンフレットを車内に設置し、絵本の読み聞かせイベントなどを企画する予定だ。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース