神戸市兵庫区湊町1丁目の集合住宅で、死者4人を含む計8人が死傷した火災で、出火原因とみられるのは、電化製品をつなぐ延長コードの劣化だった。同じような原因の火災は過去にも起きており、消防などは注意を呼びかける。
兵庫県警が火元とみているのは、火災で亡くなった86歳の男性が住んでいた1階の一室。約6平方メートルの畳の部屋に1人で暮らしていた。
捜査関係者によると、室内の延長コードに複数のショート痕があり、畳に燃え広がった形跡があった。
電動ベッドの傍らにキャスター付きのテーブルがあり、動かすと延長コードを踏みつける状態になっていた。コードが繰り返し踏まれたことで内部が劣化し、発火に至った可能性が高いという。
室内には冷蔵庫や電子レンジ、電気ケトル、テレビなどの電化製品があり、いくつかが延長コードに接続されていたとみられる。
独立行政法人「製品評価技術基盤機構」(NITE)によると、延長コード内のケーブルは通常、ビニールで絶縁されている。
だが今回のようにキャスターに踏まれたり、家具やベッドの下敷きになったり、束ねて使ったりすると劣化し、ビニールが破れてしまう。ケーブル同士が接触してショートを引き起こすという。
NITEは2016年から6年間に、延長コードやテーブルタップの発火事故を250件認知した。近年減少傾向にあったが、20年から増加に転じた。新型コロナ禍のテレワーク増加が要因と考えられるという。
担当者は「コードのひび割れや変色、発熱に気づいたら使用しないでほしい」と呼びかけている。(宮島昌英)
「長生きするで」と話していたのに
4人が亡くなった神戸市の集合住宅火災から29日で1週間がたった。
亡くなったのは、いずれも1階にひとりで暮らす77~86歳の男性だった。
「知った人ばかり、4人もい…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル