建設現場でアスベスト(石綿)を吸って健康被害を受けた作業員や遺族ら約190人が7日、建材メーカー二十数社に損害賠償を求める新たな訴訟を、全国10地裁で一斉に起こした。原告側は、国に比べて被害救済に後ろ向きなメーカーに対し、「一日も早い解決や救済制度への参加を決断させたい」としている。
建設石綿訴訟の全国連絡会などによると、提訴先は札幌、仙台、さいたま、東京、横浜、京都、大阪、岡山、高松、福岡の10地裁。請求額は被害者1人あたり原則2860万円で、最大規模の東京訴訟では68人が22社に計約15億7300万円を求めた。東京、名古屋、福岡では追加の提訴も予定している。
建設現場の石綿被害をめぐっては最高裁が2021年5月、先行した訴訟で国と一部メーカーの賠償責任を認めた。国は、各地で起きていた他の訴訟の原告とも統一基準に基づいて和解を進めたほか、裁判を起こしていない被害者にも補償する基金を創設した。
いま再びメーカーを提訴する訳
一方、メーカー各社は賠償判…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル