ある男が、拳銃を持っている――。
そんな情報を得て、大阪府警淀川署の捜査員2人は2019年7月、大阪市内のマンションで張り込んでいた。容疑者の男(55)の行動を確認するためだった。
しばらくすると、マンションに入っていく集団が目に入った。うち1人に職務質問をすると、意外な答えが返ってきた。
「京都府警だ」
京都府警と大阪府警 鉢合わせした捜査員
同じ男が恐喝未遂をした疑いがあるとして、京都府警もこのマンションを訪れていたのだという。
「自分たちも銃刀法違反の事件で捜査している」
京都府警のリーダー格の捜査員にそう説明し、拳銃を見つけたら確認させてほしいと依頼。上司を通じて了承を取り付けた。
室内に入った京都府警の捜査員は男を逮捕し、家宅捜索を続けた。
待つこと30分ほど。
「拳銃様のものを発見、押収した」
そう教えられ、了承を得たうえで室内へ。捜索で見つかった拳銃3丁を確認すると、このうち1丁が捜査中のものと同じだった。
両府警は翌8月、銃刀法違反(所持)の疑いで男を再逮捕した。男は恐喝未遂罪については不起訴(嫌疑不十分)となったが、銃刀法違反罪で起訴され、懲役9年の実刑判決が確定した。
だが、これで「一件落着」とはならなかった。
大阪府警の捜査員らがマンシ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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