強制不妊、再び「20年の壁」 原告の義姉「差別なくすため、闘う」

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根津弥 平川仁 吉村美耶 小山歩

 旧優生保護法(1948~96年、旧法)の下で不妊手術を強いられたのは憲法違反だとして、宮城県の女性2人が国に計約7千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が1日、仙台高裁であった。石栗正子裁判長は旧法を違憲としつつ、不法行為から20年が過ぎると賠償請求権が消える「除斥期間」を適用。請求を棄却した一審判決を支持し、控訴を棄却した。

 同種訴訟は全国12地裁・支部に起こされ、高裁判決は5件目。過去の4件は、除斥期間をそのまま適用するのは正義・公平の理念に反するなどとして国に賠償を命じており、判断が分かれた。

 原告は、60代と70代の女性。うち1人が2018年1月に全国で初めて提訴したのを契機に、各地で提訴が相次いだ。

 仙台高裁判決は、優生手術を定めた旧法の条項について「子を産み育てるか否かを意思決定する権利を侵害され、極めて大きな精神的、肉体的苦痛を与えるもので著しく不合理」とし、法の下の平等を保障した憲法14条に反すると判断。旧法の立法などを違法とした。

 ただ、2人は60~70年代に手術を受けたことを家族の会話などから認識し得たとし、手術から20年たつ前に提訴することは「困難だったが、不可能とまではいえない」と指摘。19年5月の一審・仙台地裁判決に続いて除斥期間を適用し、提訴時点で賠償請求権は消えていたと判断した。

原告の女性、声を震わせ「残念。腹が立ちます」

 「いずれも棄却する。事実及…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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