強制不妊の控訴審判決、誤って「義妹」と表記 弁護団「理解不十分」

根津弥

 旧優生保護法(旧法、1948~96年)の下で不妊手術を強いられたのは憲法違反だとして、宮城県内の女性2人が国に損害賠償を求めている訴訟に関し、仙台高裁(石栗正子裁判長)は19日、6月1日に言い渡した控訴審判決の表記に「明白な誤り」があったと明らかにした。原告側弁護士によると、原告の義姉を誤って義妹と記していたという。

 判決文を訂正する「更正決定」は15日付。高裁判決は旧法を違憲としつつ、不法行為から20年が過ぎると賠償請求権が消える「除斥期間」を適用し、女性2人の賠償請求を退けていた。

 原告側弁護士によると、誤っていたのは除斥期間を適用する理由を説明した部分。判決は原告の60代女性について、母親が1975年ごろに義姉に「子どもができないように手術した」と伝えていたことなどから、「優生手術を受けたことを認識し得た」と認定。「(提訴の)機会がなかったとまではいえない」とし、賠償請求権は消滅済みだと結論づけた。

 ところが、判決文ではこの義姉を誤って「義妹」と記していた。弁護団長の新里宏二弁護士は「判決の大事なところで、被害に対する理解が不十分であることを象徴している」と批判した。原告側は判決を不服とし、最高裁に上告している。(根津弥)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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