強制不妊訴訟で国が控訴、熊本地裁判決を不服 原告「本当に残念」

吉田啓

 旧優生保護法の下で、特定の疾患や障害がある人らを対象に不妊手術を強制したのは憲法違反として、熊本県内の男女が国にそれぞれ3300万円の損害賠償を求めた訴訟で、国は3日、原告の訴えを認めた一審の熊本地裁判決を不服として、福岡高裁に控訴した。

 1月23日の一審判決は原告2人が旧法による不妊手術をされたことや、旧法の違憲性を認め、男性に1500万円、女性に700万円を支払うよう国に命じた。

 国側は一審で、原告2人が手術を受けてから20年以上が経過して除斥期間を過ぎており、損害賠償請求権が消滅しているとして、訴えは無効と主張していた。

 原告の渡辺数美さん(78)は「国が控訴したことは本当に残念。私の命がどこまで持つか分かりませんが、国が責任を認めるまで頑張ります」、女性(76)は「解決までどれだけ時間がかかるかが分からず、大変残念です」とのコメントを、弁護団を通じて出した。(吉田啓)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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