強盗にカラーボール、さすまた持って外へ…警官が見た郵便局員の気迫

斎藤徹

 郵便局に押し入った強盗容疑者の逮捕に尽力したとして、福島県警田村署は13日、船引郵便局に感謝状を贈った。「利用客の安全確保と犯人検挙に大いに貢献した」としている。

 事件は3月30日午後2時15分ごろに発生。田村市船引町船引の同郵便局に男(64)が押し入り、利用客の女性にカッターナイフを突きつけて、「金を出せ」などと局員を脅した。

 局員は現金1万円を差し出し女性の安全を確保した後、金を奪って逃げようとする男にカラーボールを投げつけ命中させた。さらに2人の局員が、さすまたなどを持って外へ追いかけ、男とにらみ合った。

 通報を受けて駆けつけた同署瀬川駐在所の橋本史巡査長(29)が、ナイフを振りかざして襲ってくる男を警棒で制圧し、強盗容疑で現行犯逮捕した。

 橋本巡査長は「男はカラーボールの塗料を浴び全身オレンジ色だったので、すぐに犯人だと認知できた。犯人と対峙(たいじ)する郵便局員からは『絶対に逃がさない』という気迫が感じられ、私も絶対に検挙しようという気持ちが高まった」と振り返る。

 船引郵便局を代表し、小松義夫署長から感謝状を受け取った箭内秀行局長は「毎年、警察から受けている強盗模擬訓練が役に立った。今後もお客様の安全を考え、防犯対策に取り組みたい」と話した。

 同署は「警察だけでは犯人逮捕に至らなかった。一般市民には、自分や周囲の安全を第一に、無理のない範囲で協力してほしい」としている。(斎藤徹)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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