棟形祐水
甲府市で2021年10月、全焼した住宅から50代の夫婦が遺体で見つかった事件で、殺人や殺人未遂、現住建造物等放火などの罪に問われた無職遠藤裕喜被告(21)の裁判員裁判が11日、甲府地裁(三上潤裁判長)であった。検察側は「尊い2人の命が失われ、結果は重大だ。犯行当時、19歳だったが、死刑を回避する理由にはならない」と述べ、死刑を求刑した。
被告は甲府市の男性会社員(当時55)方で21年10月12日未明、会社員と妻(同50)を果物ナイフで突き刺すなどして殺害。次女を殺害しようとして頭をなたで殴り、けがを負わせたほか、住宅に火をつけて全焼させたなどとして起訴された。
主な争点は、被告の刑事責任能力の程度と、次女への殺意があったかどうかだった。
検察側は、夫婦の長女に交際を断られたことを逆恨みしたという動機は了解でき、計画性もあるとして、完全な刑事責任能力を問えると主張。手加減をせずに頭をなたで殴っており、次女への殺意も認められるとした。
一方、弁護側は、精神障害の影響で、自分をコントロールする能力が著しく下がった心神耗弱状態だったとし、刑事責任能力は限定的だったと反論。次女への攻撃は反射的なもので、殺意はなかったとし「傷害罪にとどまる」と主張していた。(棟形祐水)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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