三重県鈴鹿市の県立白子高校吹奏楽部が11月に三つの全国大会へ出場するため、猛練習中だ。新型コロナウイルスの感染拡大で、1年半ほど観客を前にした演奏ができなかった部員たち。緊急事態宣言が解除され、久しぶりに観客がいる全国の舞台で演奏できそうだ。
年平均約70回の演奏活動をしている白子高校。各種のコンクール、凝った演出の定期演奏会、子どもを招いた出張演奏、3年おきの欧州公演など、多くの活動で知られている。
今年、部を引っ張っているのは部長の宮﨑未夢さん(17)とコンサートマスターの岡本菜央さん(17)の3年生2人。コロナ禍まっただ中の昨冬、先輩から役を引き継いだ。
一時は仲間とアンサンブルの練習をするのも難しく、演奏会は全く開けなくなった。「みんなに聴いてほしくて吹奏楽部に入ったのに」。やめたいと思う日もあったという。
感染拡大の波が上下する中、有観客が期待できそうだった今年6月のサマーコンサートは直前になって無観客に。演奏が終わった時のシーンとする会場に戸惑った。
津市の県文化会館であった8月の県吹奏楽コンクールでは久しぶりに保護者らの観客が入った。会場からの拍手に演奏の喜びを思い出し、「部員のほとんどが感動で泣きました」と2人は振り返る。
三つの全国大会は、11月6日に千葉県である日本学校合奏コンクール、7日の日本管楽合奏コンテスト(コロナのため録画審査)、14日の全日本高等学校吹奏楽大会in横浜。二つの大会では舞台での演奏ができ、特に14日は部員75人全員が参加する。三重国体で演奏するはずだった宮川彬良作曲の「Millaie(未来絵)」も初披露する。
もうひとつ、生徒たちは11月3日の県マーチングコンテストの練習も75人全員で始めている。新型コロナで日程が延期され、先にあるはずの東海大会はすでに終わっている。それでも、後輩に技術を伝える使命感もある。全国と同様、「最後まで真剣に練習していきたい」と2人は話している。
◇
10月23日から始まる第69回全日本吹奏楽コンクールのすべての演奏を、全日本吹奏楽連盟と朝日新聞社はオンラインでライブ配信します。会場への入場は出演関係者に限られ、入場券の一般販売はありません。配信の詳細は専用サイト(https://www.asahi.com/brasschorus2021/wbandcompetition.html?ref=article)をご覧ください。(中根勉)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment