後手に回った日本政府 米軍に停止要請しても飛び続けるオスプレイ

 米軍輸送機オスプレイが鹿児島・屋久島沖で墜落した事故を受け、日本政府は30日、米軍側に対し、捜索救助活動を除いて、安全が確認できるまでの間は飛行を停止するよう要請した。ただ、沖縄ではこの日も米海兵隊のオスプレイが相次いで飛行し、住民の不安感が高まる。日米が防衛力の「南西シフト」を進めるなか、今後の配備計画に影響する可能性もある。

 政府の対応は「米国からの情報を見て判断するしかない」(首相周辺)と後手に回り続けた。

 最初に墜落事故について会見した宮沢博行防衛副大臣は「墜落」を認めず、「不時着水した」と強弁。その理由を「米国側から説明を受けているが、最後の最後までパイロットは(機体のコントロールを)がんばっていらっしゃったということで、不時着水という言葉だ」と主張した。29日夜、岸田文雄首相は、飛行停止要請について問われると、「事故の実態を確認した上で、何が必要か、何が求められるのかを検討した上で考えるべき課題だ」と述べ、慎重な姿勢を見せた。官邸幹部も「状況が分からないのに飛行停止なんてできない」と言い放った。

 ただ、政府関係者によると、政権内では当時、飛行停止要請のタイミングについて、原因判明の「前」か「後」かで意見が割れ、首相は「前」に傾いていたという。最終的に、首相は、2016年に沖縄県名護市沿岸部での米軍オスプレイの事故に世論の強い非難が起きたことを教訓に踏まえ、関係省庁に対応を指示したという。

 結局、防衛省が実際に米軍に…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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