カジノを含む統合型リゾート(IR)をめぐる汚職事件では、参入を狙う中国企業が、担当副大臣を務めた秋元司衆院議員(48)以外に対しても、幅広く「政界工作」をしていた疑惑が浮かび上がった。政府は不正防止の強化を打ち出したが、背景には「業者頼み」になっている事業の構造的な問題がありそうだ。
「参入に焦っていた業者に議員側がつけ込んだ面がある。国民のIRを見る目も違ってくるだろう」
賄賂を約760万円まで積み上げた検察幹部は3日、事件をこう総括した。
東京地検特捜部がIR事件の捜査に乗り出したのは昨秋ごろ。着目したのが、業界では無名とされた中国企業「500ドットコム」との関係だった。
ネット上のゲームや宝くじを手がけていた同社は2014年に1億5千万元(約23億円)の営業利益をあげていたが、中国政府によるネット宝くじの規制強化などで株価が暴落し、15年に一気に赤字に転落した。その後、清華大学傘下の国有企業・紫光集団が資金や取締役を出して後ろ盾として影響力を強め、国外への進出を目指していく。
17年には香港と欧州のギャンブル企業を買収し、8月に沖縄県へのIR進出を目指すと表明。競争が激しい都市部ではなく、沖縄や北海道などの「地方」に活路を見いだした。
米国や香港の業者に比べて実績…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル