戦後最悪の人的被害をもたらした2014年の御嶽山噴火。この災害によって、どんな課題が浮かび、火山の研究や防災にどんな変化をもたらしたのか。
長野・岐阜県境の御嶽山で噴火が発生したのは14年9月27日午前11時52分ごろで、紅葉シーズンの土曜の昼前。噴火口は山頂に近かった。多くの登山客らが巻き込まれ、58人が亡くなり、5人が行方不明者のままだ。
気象庁の火山噴火予知連絡会長を務める清水洋・九州大学名誉教授(火山物理学)は「水蒸気噴火の重要性が再認識され、研究が進んだ」と指摘する。
火山の噴火は、地下水が沸騰することによって起きる「水蒸気噴火」、上昇したマグマが火口から噴き出す「マグマ噴火」、水蒸気噴火とマグマ噴火の中間にある「マグマ水蒸気噴火」の三つの種類に分けられる。御嶽山の噴火は、水蒸気噴火と判断された。
御嶽山の噴火以前は、マグマ噴火が研究の中心だった。一般的に影響する範囲が広いマグマ噴火に比べると、水蒸気噴火の影響は限定的だからだ。00年に全島避難となった伊豆諸島・三宅島(東京都三宅村)の噴火も、マグマ噴火だった。
清水さんは「マグマ噴火に比…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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