御巣鷹に登る、あの人へ会いに 日航機墜落事故36年

磯部征紀

 日本航空のジャンボ機が群馬県上野村の山中に墜落し、520人が犠牲になった事故から12日で36年を迎えた。遺族らは墜落現場の御巣鷹(おすたか)の尾根に登り、犠牲となった人たちを悼んだ。

 マスク姿の遺族らは朝から尾根を目指して、登り始めた。斜面にある墓標に花を手向け、手を合わせるなどした。犠牲者を追悼する「昇魂之碑」の前で空の安全を願い鐘を鳴らした。

 父親の昭司さん(当時50)を亡くした神奈川県大和市の若本千穂さん(56)は2018年に初めての孫が生まれた。亡き父にとってはひ孫になる。「孫が元気で明るい子だよと父に伝えました。8月12日は私たちの人生が変わった日です。家族の歴史なので、孫には『じいじが見守ってくれる場所だよ』と伝えていきたい」と話した。

 コロナ禍の影響で、この日の登山は遺族や関係者に限定された。夕方に開かれる追悼式典も昨年に続いて規模を縮小して行われる。機体の一部などを展示する日航の社内の研修施設「安全啓発センター」も昨年3月から一般の見学者の受け入れを中止している。(磯部征紀)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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