【動画】幻のからくり「茶運び人形」を復元して実演する九代玉屋庄兵衛さん=滝坪潤一撮影
からくり人形師の九代玉屋庄兵衛さん(65)が復元した「茶運び人形」が、六甲オルゴールミュージアム(神戸市灘区六甲山町)のコレクションに加わった。6日から始まる特別展「からくり人形 西洋と日本」で実演される。
茶運び人形は、江戸時代に大名や豪商が作らせた機械仕掛けの「座敷からくり」の代表作。茶托(ちゃたく)に湯飲みを載せると前へ進み、湯飲みを取ると止まる。再び載せると、Uターンして戻る。1796年刊行の指南書「機巧図彙(からくりずい)」に設計図が記されているが、実物は現存していない。名古屋市に工房を持つ玉屋さんが、同ミュージアムの依頼を受けて復元した。
玉屋さんは「茶運び人形が最初に出来たのは1650年代と言われ、物を運ぶ人形としては世界で最も古い部類に入る。1本のぜんまいで顔も足も動き、お茶を運ぶ。客に飲ませて主人の元に戻ってくるのが、すごいところ」と話す。
特別展では、1900年ごろにフランスで作られたものを復元した自動人形「エクリヴァン」も展示する。手紙を書く最中に居眠りをし、目覚めて消えたランプに火をともすと、再び手紙を書く動きをするピエロの人形だ。学芸員の崎本恵里奈さん(31)は「外見や素材、機構など、日本と西洋の違いを見比べてもらえたら」と話す。
3月1日まで(木曜休館)。茶運び人形の実演は1日7回。今月12日に玉屋さんによる実演と講演会が予定されている。問い合わせは同ミュージアム(078・891・1284)。(滝坪潤一)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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