2018年の北海道胆振(いぶり)東部地震から2年を迎えるのを前に、37人が死亡した北海道厚真(あつま)町で5日、追悼式が開かれた。遺族や住民らが犠牲者を悼み、復興への決意を新たにした。
地震は18年9月6日午前3時7分に発生した。厚真町で震度7、隣接する安平(あびら)町、むかわ町で震度6強を観測。大規模な土砂崩れが起きるなど、北海道内の死者は関連死を含め計44人に上った。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、式は5、6日の2日間とし、町民らが祭壇にいつでも自由に献花できる方式にした。会場の町総合福祉センターでは座席数を減らしたほか、遺族代表や来賓のあいさつは行わず、メッセージを掲載した冊子を配布した。
5日は午前10時から宮坂尚市朗町長による式辞があった。宮坂町長は「皆さんの人生が閉ざされた無情やご遺族の無念を思うと、悲しみがこみ上げます。厚真町を決して悲しいまちで終わらせない決意を新たにし、必ずやこの苦難を乗り越えていきます」と述べた。
胆振東部地震では北海道のほぼ全域が停電する「ブラックアウト」が起きた。道内では8月末現在、少なくとも346世帯748人が仮設住宅などで避難生活を送っている。(磯部征紀、西川祥一)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル