循環取引100億円か 東証プライム上場子会社の元嘱託職員詐欺容疑

高嶋将之

 警視庁は12日、印刷インキ大手「サカタインクス」(大阪市、東証プライム上場)の子会社「阪田産業」(大阪市)の元嘱託社員、吉田英司容疑者(64)=同市北区=と同社の取引先の会社役員、田村昭成(あきのり)容疑者(58)=同市平野区=を詐欺容疑で逮捕し、発表した。同庁は2人の認否を明らかにしていない。

 捜査2課によると、2人は昨年8~9月、阪田産業が太陽光発電関連機材などを購入したと偽り、代金として計約2億4500万円を別の取引先2社の口座に振り込ませ、だまし取った疑いがある。振り込ませた金は田村容疑者の会社を通じ、阪田産業に戻す構図だったという。

 こうしたお互いの会社の間で架空取引を繰り返す「循環取引」により、阪田産業では2010~21年に計約100億円の不正な売り上げが計上されていた、と同課はみている。

 吉田容疑者は阪田産業の営業担当で、取引先が作成した虚偽の請求書などを会社に提出して代金を支払わせていた。田村容疑者からは約4千万円のキックバックを受けていたといい、今年3月に懲戒解雇された。(高嶋将之)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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