コロナ禍によって、それまでの「当たり前」が一変した。暮らし方や住まい方、働き方を含め、これから自分がどう生きていきたいか、見つめ直した人は少なくないだろう。板谷由夏さんはステイホーム期間を「心のフォーカスが定まり、考え方がクリアになった時期でした」と振り返る。
ドラマの撮影は止まり、子どもたちの学校も休校に。早寝、早起きをし、朝昼晩と家族で食卓を囲んだ。「こんなに家族とみっちり一緒にいたことはなかった」と笑う。空き時間には、趣味の野菜づくりにいそしんだ。もともとハーブやイチゴなどを育てていた庭の一角のスペースを畳3枚分ほどに広げ、ナスやオクラ、ルッコラなどを育てた。「すぐに大きくなるから気が抜けなくて。オクラは硬くなる前に、ナスは重みで土につく前に収穫しなきゃいけないし、パクチーは勝手に繁殖して玄関前にも生えていたりして。花も食べられるんですよ」。自給自足にも関心がわいた。「難しいですけど、できればそれがベストですよね。鶏を飼って卵をとか、ミツバチを飼って蜂蜜をとか、色々考えました」
この日の撮影は、かねてより親交のある料理家、サルボ恭子さんの都内のスタジオで行った。「ふだん、料理は目分量」という板谷さんだが、自宅で過ごす時間が増えた時期は、サルボさんのレシピを見ながら、ミキサーを駆使してフムスやリエットなど、ちょっと手の込んだ料理にも挑戦した。そんな日々から、こう再認識したという。「日常をちゃんと過ごすこと。家族が元気であること。それが私にとっては一番ハッピーな状態であり、自分の土台なんだなと」
日常の大切さに改めてピントを…
2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル