新任の学校教諭が1年もたたずに依願退職するケースが増えている。文部科学省の調査によると、全国で2018年度に採用された公立小中高校、特別支援学校の教諭のうち431人が1年以内に依願退職。前年度比73人増となり、1999年度以降で最多だった。理由は自己都合が299人で最も多く、病気を理由とした111人のうち104人が精神疾患を挙げた。教育現場の長時間労働が指摘される中、新任教諭の負担感は強いとみられ、識者は支援の必要性を訴えている。
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教諭は教育公務員特例法に基づき、採用後1年間の“試用期間”を経て正式採用となる。
調査によると、全国の依願退職者の増加は3年連続。九州7県と3政令市では計70人が依願退職した。福岡県が依願退職者が最も多く31人、福岡市21人と続いた。全採用者数に占める割合は0~3%台で、最多は福岡市の3・27%だった。
同市では、15年度はゼロだった依願退職者が16年度2人、17年度13人と増加傾向にある。18年度21人のうち、精神疾患を理由にしたのは6人だった。
働き方改革が叫ばれる一方、ベテラン教諭の大量退職が進み、若手教諭の仕事量が増えているとの見方は根強い。市教育委員会は「近年は採用者も多く、退職理由もさまざまで一概に比較はできないが、新任教諭に対する支援の必要性は認識している」と説明。19年度から市教委の職員が各学校を回り、若手教員に悩み事などを打ち明けてもらう座談会の場を設けているという。
共栄大の和井田節子教授(学校臨床心理学)は「新任の先生は仮採用のような立場を気にして、悩んでいることやうまくいっていないことを周囲に言いづらい。そのためにサポートが遅れて精神疾患となるケースも多い。学校の日常業務の中で若い先生の悩みに身近な教員が寄り添えるような工夫が求められる」と話している。 (金沢皓介)
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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