回転ずしチェーン「元祖寿司」の店長だった男性(当時41)が昨年5月に突然死したのは長時間労働が原因だったとして、三鷹労働基準監督署(東京都武蔵野市)が労災認定したことがわかった。認定は今年5月25日付。遺族らが10日、記者会見して明らかにした。
遺族側代理人によると、男性は首都圏で「元祖寿司」を展開するサカイ総業グループ(東京都渋谷区)へ2014年に入社。16年7月~19年2月にJR中野駅近く、19年2月以降はJR吉祥寺駅近くの2店舗で、いずれも店長として週6日勤務した。午前に出勤し、調理や従業員の指揮、顧客対応、営業日報のとりまとめなどに追われ、深夜の帰宅が常だった。19年5月7日未明に帰宅後、朝になって息をしていないのに家族が気づいた。死因は致死性不整脈による心停止だった。
労基署は、死亡直前6カ月間の月平均の時間外労働が、過労死ラインの80時間超だったと認定。休憩時間を含む拘束時間も、月300時間前後と認定した。
妻の30代女性は「(夫は)定年まで元気で働いて、子供たちを行きたい学校に行かせてやりたい、と話していた。大切な人との突然の別れで悲しい思いをする方々が少しでも減るよう、長時間労働が改善されることを願っている」と語った。会社側に労働環境の改善や補償を求めていくという。サカイ総業は取材に対し「人事担当が不在で答えられない」としている。
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遺族(妻)が記者会見で語った内容は以下の通り。
今回、たくさんの方々のご助力のおかげで、無事に労災認定がおりてほっとしています。
主人は、亡くなる1カ月前に41歳になったばかりでした。「また1年元気で過ごそうね」と話したら、「定年まで元気で働いて、子供たちを行きたい学校に行かせてやりたい。頑張るよ」と話していました。
主人が突然亡くなり、子供も小…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル