部下からメールが届いたのは、昼ご飯を食べ終えたあとだった。自室でゆっくりしていると、「北海道の知床半島沖で観光船が浸水」と連絡があった。
4月23日午後2時ごろのことだ。国土交通省の坂巻健太・大臣官房審議官(当時)にとって、長い日々の始まりだった。
午後6時ごろ、今度は上司から連絡が入った。「現地対策本部長として、明朝7時に羽田を発つ飛行機で現地へ行くように」
すぐに出勤した。誰を現地に連れて行くかなど、省内での打ち合わせに追われた。着替えを取りに帰宅できたのは翌24日の午前5時ごろ。息つく間もなく羽田空港に向かった。
乗客の関係者は現地に来ているのか。事業者の様子は。家族対応はどうなっているのか。何もわからないままだった。
自分の未熟さ、悔いた
女満別空港(北海道大空町)…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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