保護者の就労要件を問わずに保育所などを利用できる「こども誰でも通園制度(仮称)」の創設に向け、こども家庭庁は21日、有識者の検討会をスタートさせた。年内に論点を詰めた上で、来年の通常国会に関連法案を提出する。
新制度創設の背景には、保育所や幼稚園を利用していない「未就園児」の存在がある。
同庁の推計では、0~2歳児の約6割にあたる約146万人(認可外保育所などの利用者を含む)が未就園児という。こうした状況を踏まえて、新制度には、保育士ら専門職が関わって子どもの育ちを保障することや、孤立した子育てを防いで虐待のリスクを減らすことなどが期待されている。
施設にとっては、経営面のメリットもありそうだ。厚生労働省が2021年に公表した資料によると、保育所の利用児童数は25年には頭打ちに。人口減少による保育所の定員割れや統廃合が現実の問題になっており、新たなニーズへの対応も急務だ。
新制度について同庁は、6カ月~2歳のすべての未就園児を対象とすることを想定。市町村が指定した保育所、認定こども園、幼稚園などが導入することを見込んでいる。今年度から全国31自治体でモデル事業を始めたところ、応募が殺到する自治体も目立っている。
検討会は、学者、保育所や幼稚園などの事業者、モデル事業の実施自治体の担当者ら計18人で構成。定期的な利用が前提か、空き定員を活用するのか、といった点を議論する。その上で、来年度に拡充するモデル事業の実施方針を年内には中間的にとりまとめる。来年の通常国会に提出する関連法案にも、とりまとめ内容を反映させる。
課題も多い。現場は保育士不…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル