応援できるありがたみ感じる無観客試合 日ハム、地元へ

 プロ野球日本ハムが30日、札幌ドームで昨季より約3カ月遅れの「ホーム開幕戦」を迎えた。ファンにとっては待ちに待った夜。新型コロナウイルスの影響による無観客の試合に戸惑いながらも、チームの躍動に期待を寄せた。

野球応援できるありがたみ感じて

 日本ハムファンが集う札幌市北区北24条の居酒屋「鳥3」には、試合開始に合わせるようにテレビ観戦と飲食を楽しもうという客が訪れた。常連の40代の男性会社員は「お客さんの声が聞こえてこないのはさみしい。みんなで応援する日常が戻ってきて欲しい」と漏らした。それでも、画面越しの日本ハムの得点場面に拍手をして盛り上がった。店長の石田克美さん(71)は「普段なら本拠地の開幕戦はカウンターが埋まるのに今年は少ない。日常が戻るにはもう少し時間がかかりそう」と話した。

拡大する日本ハムファンの常連客が訪れた居酒屋「鳥3」=2020年6月30日午後8時6分、札幌市北区北24条、前田健汰撮影

 試合が始まる約1時間前、札幌市の20代女性は札幌ドームに併設するグッズショップを訪れ、限定商品を買った。昨季は遠征を含め50試合ほどを見に行った熱心なファン。「チームが帰ってきてくれてうれしいけど、直接見られないのは残念で、複雑な気持ち」。ファンの入場が解禁される予定の京セラドームへ観戦に行く計画を立てている。「今年は日本一になってほしい。でも、コロナがあるから優勝してもパレードはないのかな」と早くも心配していた。

 札幌ドームも14日の試合からファンを入れる。当初は5千人で、その後も2万人までに制限する予定だ。

 無観客の期間を野球を応援できるありがたみを感じる機会にしようと提案するのが、私設ファン組織の代表を務める長谷川裕詞さん(50)だ。球団が北海道に移転する前年、札幌ドームでの入場者が少ない試合を鮮明に覚えているという。近年、満員にふくれあがる札幌ドームは当然の風景となったが、「毎年の野球シーズンが当たり前ではないのだと、選手もファンも認識できることは、マイナスだけではない」と語った。

三塁スタンドにファンのパネルで「FIGHTERS」

拡大するホーム初戦を迎えた札幌ドームの三塁側スタンドには、ファンの写真で「FIGHTERS」の文字が描かれた=2020年6月30日、日吉健吾撮影

 いつもはファンで埋まるホームの三塁側スタンド。この日、1千を超えるファンの写真パネルが飾られ、青を基調に白い「FIGHTERS」の文字が浮かび上がった。

 午後6時1分、ソフトバンクと…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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