「なんて大きな空なんだろう」、いや大きさが変わるはずはない。でも南極の大空を見上げると、思わずそう言ってしまう。ビルの隙間からのぞく東京のよどんだ空は窮屈そうだが、ここではさえぎるもののない空が360度広がる。
2020年7月21日、明るさが戻り、風も穏やかとなればチャンスだ。スイッチオン、プロペラを回してドローンを空へ。機体はあっという間に小さくなり、操縦画面には空から見た白い世界が広がる。大空を滑空する鳥になった気分だ。
初めての南極は03年出発の45次隊。昭和基地から雪上車で1カ月、大陸内陸のドームふじ基地へ赴いた。千キロ四方、自分たち以外に生き物はいない氷の世界だ。51次隊の舞台はセールロンダーネ山地の隕石(いんせき)探査、氷原で「宇宙」に出会った。「壮大な世界を伝えたい」と零下60度でもカメラを向け続けた。3度目の南極で新たな挑戦は「鳥の目線」のドローンだ。
国内では建物も人も多く神経…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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