湯崎英彦知事が県民に初めて外出自粛を要請した4月10日、ちょうどオープンの日を迎えたカフェがある。広島市中区小網町の「本屋兼カフェバー りんご堂」。目指していた「本好きの人が集う場所」にはまだなれていないが、ネットに活路を見いだしている。
「困った」。店主の野崎泰弘さん(25)は途方に暮れた。店のオープンは4月10日午後3時。その直前、友人からの電話で知った。新型コロナウイルス対策で、湯崎知事が週末の外出自粛を要請したとニュースで流れていた。
開店。友人ら7組の客が来てくれた。「これからどうするの」「どうしよう」。店内に暗い雰囲気が漂う。来ると言っていた友人から、「控えるね」という電話もあった。
「このまま開けても気持ちよくお客さんを迎えられないな」。開店翌日の11日から、営業を自粛した。
夢に見ていたカフェだった。府中町出身。専門学校生のときにカフェやバーでアルバイトした。自分もいつか店を持ちたい。それが目標になった。キャッシュレス決済の営業の仕事をしていた昨年秋、友人たちに「やってみたら」と背中を押され、開業を決意した。
クラウドファンディングで資金を集め、安い物件を探し当てて今年2月にサラリーマンを辞めた。
コンセプトは「新しい本と出会…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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