忽那賢志教授が語る「下がりきらない」6波と、悩ましい7波対策

 新型コロナウイルスの流行から3度目の春。新規感染者数は下がりきらずに再び、増加傾向に転じています。収束は見通せるか。ワクチン接種をどう考えていけばいいのか。大阪大の忽那賢志教授に12日夜、オンラインで話を聞きました。

 ――いまは「第6波」の終わりなのか、7波の始まりなのか。どっちなのでしょうか。

 どちらとも言えるでしょう。6波はピークを過ぎた後も、「第5波」と違って、新規感染者数が急激には減りません。減少速度がとても緩やかです。

子どもの感染増も原因

 ――どうして減らないのでしょうか。

 6波で主流になったオミクロン株に対して、ワクチンによる感染予防効果が落ちているからでしょう。感染の連鎖を絶つのが難しくなっています。

 感染しにくいとされてきた、子どもの感染が6波で増えたことも、要因です。これまでと違う広がり方をして、減りきらない。

 主な感染者の世代の違いも関係しているでしょう。

 ――岩手や新潟県など、地方で過去最高を更新し、感染状況による免疫獲得の差の影響が指摘されています。

 新型コロナは、人が密集している所で感染が広がり、地方ではさほど流行してきませんでした。しかし、感染力の強いオミクロン株が登場し、様相が変わりました。

 地方都市には、相対的に免疫を持たない人が多いため、減りきらずに増えている、もしくは7波の立ち上がりで早めに増えているという可能性があります。

 1月以降のまん延防止等重点措置の対象でなかった都市では、感染拡大が早かった面もあるでしょう。

 ただ、地域で起きていることはそれぞれなので、断言はできません。

 記事後半では、「第7波」対策に求められることや後遺症、ワクチン接種についても語ります。

 ――6波の主流だった「BA.1」と、より感染力が強いとされる「BA.2」の遺伝子が交ざる「組み換え」によって生じたとみられる「XE」系統が国内で初確認されました。

 感染力が強そうなので、警戒…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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