震災9年・写真連載①
写真から泥やカビを取り除く。水洗いして消毒し、新しいアルバムに収める。仙台市のNPO法人「おもいでかえる」がこれまでによみがえらせた写真は数十万枚に及ぶ。
2012年にグループを立ち上げた当初、津波で流され、市に届けられた持ち主不明の写真は、まだぬれたものを含めて30万枚近くあった。写真の展示と返却を兼ねた会を催す中で「自分では手が回らない」「今は向き合う気になれないんだけど」という被災者自身からの依頼も受けるようになった。17年の九州北部豪雨以来、各地の被災地からもホームページなどで依頼を受け付けている。
東日本大震災で傷んだ写真は今も持ち込まれる。創設メンバーの一人、丹野ゆみさん(52)は「被災直後は生活再建が第一で、写真どころじゃないと思うんです。でも落ち着いてから、写真を見て振り返りたい、気持ちに区切りをつけたい、と考える時がくる。そのタイミングはそれぞれ」と語る。
丹野さんは仙台市宮城野区で被…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル