只見線はこの日、不通が続いていた会津川口(福島県金山町)―只見(同県只見町)間の27・6キロで列車の運行が再開し、全長135・2キロがつながった。
午前5時36分、上り一番列車が小出駅(新潟県魚沼市)を出発。午前7時11分には只見駅を通過し、11年ぶりに不通区間を乗客を乗せた列車が走った。沿線の撮影スポットでは全国からの鉄道ファンらがカメラを構え、地元住民らは全線再開を祝福する横断幕を掲げ、通過していく列車に手を振った。
一番列車は、午前8時過ぎに会津川口駅に到着。ホームでは地元住民が「おかえり只見線」の横断幕を掲げ、小旗を振って歓迎した。8歳の孫と出迎えた金山町の目黒敏子さん(73)は目に涙をため、「この日を待ち望んでいた。只見線は地域の宝。乗って応援したい」と話した。
一方、思わぬトラブルもあった。午前6時8分に会津若松駅を出発した下り一番列車は、午前7時ごろ塔寺(会津坂下町)―会津坂本(同)間で緊急停止。JR東日本によると、非常ブレーキが作動したという。
このため会津若松―会津川口間で一時運転を見合わせたが、午前11時過ぎに再開した。一番列車は運休となり、約210人の乗客は会津若松と只見方面に向かう代替バスに乗り換えた。
午後2時20分過ぎ、只見駅には全線再開を記念した臨時列車「再会、只見線号」が到着。駅周辺はカメラを持った鉄道ファンや地元住民らでごった返した。
只見町で美容院を営む羽染達子さん(74)は「只見駅がこんなににぎわうのは本当に久しぶり。今日からは町民も只見線を支えていくことになる。活用に知恵をしぼりたい」と話した。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル