北海道は、新型コロナウイルスの感染が急拡大している札幌市について、国のコロナ対応の特別措置法上の「まん延防止等重点措置」の適用要請に踏み切った。適用を前に、市内の飲食店にはさらなる営業時間短縮を要請。6日からは、営業終了時間を「午後9時まで」から「午後8時まで」に繰り上げることを求めている。重点措置が適用されれば、公共交通機関の減便や酒類提供の禁止などの要請も想定され、道と市はさらなる対策について協議している。
感染力が強く、重症化リスクが高いとされる変異ウイルスの影響で、札幌市の新規感染者は増加が止まらず、6日は251人と過去最多を更新。入院患者数は5日時点で357人となり、病床使用率は実質9割に達している。道と市は5日、同市や道医師会など関係団体とともに「札幌市医療非常事態宣言」を出した。
5日の道対策本部会議で鈴木直道知事は「札幌市内でのこれ以上の感染急拡大を抑え、医療提供体制の崩壊を防がなければならない。全道への急速な拡大を防げるかどうかの重要な局面だ」と、重点措置の適用を要請する理由を説明。札幌市の秋元克広市長は5日の会見で「市の新規感染者数、病床の逼迫(ひっぱく)は厳しい数字になっている。感染拡大をしっかり止めていくために、改めて市民・事業者に協力をいただきたい」と訴えた。
道は適用までの間も感染拡大を抑えるため、6日からの追加対策も決定。札幌市内の飲食店への時短要請を「午後8時まで」と1時間早め、酒類提供時間は午後7時までとする。
すでに時短やテレワークの推進、学校の部活休止なども打ち出したなか、重点措置が適用されれば何が変わるのか。
重点措置の対象区域では、酒類の提供禁止や、公共交通での平日の終電繰り上げや休日の減便など、より強い要請も可能になる。札幌市営地下鉄での減便などについて、秋元市長は5日の「市営交通としてできることをやっていく」とし、検討を進めることを明らかにした。一方、酒類の提供禁止については「(重点措置の対象地域で)現在(酒類提供が)禁止されているのは、緊急事態宣言が出されている東京都の周辺だ。北海道では(強い措置は)札幌だけのことになるので、道や国と調整していくことになる」と慎重な考えを示した。(中野龍三、榧場勇太、松尾一郎)
半数超の中学が修学旅行を予定も
重点措置の適用要請に合わせ、札幌市教育委員会は5日、市立学校の修学旅行(中学3年生が対象)や宿泊学習(中2が対象)を当面見合わせることを決めた。
市教委によると、5月は修学旅行などを予定する市立中学が多い。5月末までに修学旅行を予定していたのは市内の全97校中57校、宿泊学習は55校に上る。8日に東北地方への修学旅行を予定していた学校は急きょ延期したという。
市内のある中学校では6日朝…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル