性に傷ついた女性たちが生活する「村」 共に生きる名誉村長は96歳

 その日のパンを得るために身を売った女性、母と祖父との間に生まれた女性、だまされて売春の世界に入った女性……。

 その「村」に暮らすのは、多くが知的障害や精神障害を抱えた中で性的な被害や搾取を受け、家族からも見放された、行き場のない女性たちだ。

 村の名前は「かにた婦人の村」。房総半島の海を見下ろす自然豊かな山の上にある。

 1965年に開所した、日本で唯一の長期入所も可能な婦人保護施設だ。性に傷ついた女性たちが身を寄せて暮らしてきた。

 これまでに全国から約200人を受け入れた。この地で生涯を閉じる人も珍しくなく、敷地内の教会の地下にある納骨堂には約70人が眠る。

 1978年から「かにた婦人の村」で女性たちと「共に生活する」天羽道子さん(96)は、日本で初めてプロテスタントの「奉仕女」になった方です。記事の後半では、この半世紀女性たちを見つめてきた天羽さんの思いを伝えます。建物の老朽化が深刻になっている施設はいま、建て替えのための寄付を20日までクラウドファンディングで募集中です(https://readyfor.jp/projects/kanitafujinnomura)。

 入所者は門も塀もない村で…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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