性差は時代でどんどん変わる 推測、偏見に自戒をこめて

 1971年に朝日新聞で44回にわたって掲載された連載「男と女」では、さまざまな分野で男女間の格差がどう生じているかを探った。最後に取り上げたテーマは「二つの性の歴史」。フランス文学者の多田道太郎さんや評論家の樋口恵子さんら、男女5人の識者が討論した様子を3回にわけて掲載した。

 「原始時代に対等な人格だった男と女の関係は、鉄器時代を境にその差がひろがり、中世を経て近代の産業社会のなかで決定的な従属関係となったのではないかということが話合われた」。推測や願望が交じり、知識人の雑談という色合いが濃いものだった。

研究対象にも、研究者にもなれず

 日本でジェンダーの観点からの歴史研究が本格的になったのは90年代からだ、と千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館(歴博)の横山百合子教授(65)は指摘する。「それまでは女性が歴史を研究することも、女性を研究対象にすることも評価されなかった。歴史学自体が長く『女性は政治で重要な役割を果たしていなかった』という偏見に影響されてきた」

 昨年10月から歴博が開いた企…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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