古畑航希
「あやしいひとがあらわれた! あかずきんはどうする?」。童話の「赤ずきん」をモチーフに、不審者に遭遇した時の正しい行動をロールプレイングゲーム風に紹介する動画を、福岡市の福岡工大付属城東高校の生徒が制作した。性犯罪の防止を目指している。
同校の城東映像クリエーター部の部員8人が手がけた。赤ずきんが、オオカミに見立てた不審者に遭遇する1分余りのストーリー。「たたかう」「ぼうぎょ」「にげる」の三つの選択肢が現れ、正しい「にげる」が選ばれると、「あかずきんは、2mいじょうきょりをとった」と具体的な行動も示される。
その後登場する「きこり」は、赤ずきんがオオカミと遭遇している場面を目撃。「アイテム」を選ぶと、きこりは四つのアイテムの中から「でんしょばと」を選び、助けを呼ぶ。110番通報を例えた表現で、緊急時には電話で助けを求めることの重要性を訴えている。
部員たちは福岡県警東署からの依頼を受け、4月から制作を開始。「若い世代にも分かりやすく親しみがもてるように」と、童話をモチーフにゲーム風の動画にすることにした。
週末には部員の家に集まり、2週間かけて紙粘土で人形をつくった。動画はコマ撮りで約150枚の画像を使用。人形は手と胴体をつまようじでつないで可動式にし、場面ごとに登場キャラクターの表情を変えられるよう取り外しのできるシールをつけた。
「2メートル以上の距離を取る」といった知識は、東署で学んだ護身術から採り入れた。撮り直しを何度も重ね、7月末に完成させた。
動画は福岡県警のYouTube(ユーチューブ)チャンネル(https://youtu.be/CF0Ic_vSFSk)で公開中。
3年の冷川静流(しずる)さんは「若い世代にたくさんみてもらって、実際に不審者に遭遇したときも正しい選択をしてもらえたら」と話した。(古畑航希)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル