息しちゃダメ!地球の「健康診断」は南極で、人の影響抑え大気観測

 息を止めて近づいて操作、すばやく逃げる! 観測でそんな場面がある。

 2020年8月20日、大気観測を担当する白山栄さんが、大気サンプリングをする様子を撮影に行った。昭和基地では24時間、毎週、毎月……いろんな頻度、いろんな手法で大気や、空気中を浮遊する微粒子を観測している。この日は米国海洋大気庁(NOAA)に送る大気の採取。月2回、風速や風向きの良い時を狙って観測する。

 白山さんはスーツケース大の箱を抱えて外に出てきた。基地中心部から吹く風はない、大丈夫だ。装置を広げて吸気スイッチオン。「離れます」とガラス容器に外気が通るのを待つ。白山さんは息を止めて近づき、小走りで戻る。しばらく待って、また息を止めて近づく。最初は下流側を閉じ、次に外気が満たされた容器の栓を閉めたのだ。その間、呼吸でさえ影響しないよう注意する。集めた大気は帰国後に米国へ送り、分析されるという。

 大気はどこでも採取できる…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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